日本国内における入れ歯(義歯)による治療の歴史は古く、インプラントが台頭する前は、歯が無い方の治療といえば入れ歯を入れることでした。正しい噛み合わせさえ採得できれば、歯科医院でのしっかりした診断と技術、歯科技工士の技術とをもって、よく噛める入れ歯の作成は可能です。
入れ歯には、一部の歯が残っている方のための『部分入れ歯』と、全ての歯を失ってしまった方のための『総入れ歯』があります。
ここでは当院にて作成可能な入れ歯の種類についてご紹介いたします。
部分入れ歯、総入れ歯の種類
レジン床義歯
保険治療で製作する入れ歯はレジン床義歯という、入れ歯の歯肉に触れる部分がレジンと呼ばれる歯肉の色をした歯科用プラスチック樹脂で作られたものになります。
厚みがあり熱が伝わりにくいので、食べ物の温度を感じにくく、お食事を以前のように楽しめなかったり、会話に多少の支障を感じる方もいらっしゃるかもしれません。壊れやすい等のデメリットはありますが破損時の修理がしやすく、何よりも安価に作れることがメリットであると言えるでしょう。
金属床義歯
お口の中の、特に外からは見えにくい舌の動く範囲に、歯科用プラスチック樹脂のレジンを使用せずに、チタンやコバルトクロムといった生体親和性の高い金属素材を使用することで、保険治療で作られるレジン床義歯の1/3〜1/5の薄さの厚みのない、違和感のない入れ歯の製作が可能になります。
厚みがないことで発音がしやすく、喋りやすいです。また、金属は熱伝導性に優れているので、食べ物の熱い・冷たいといった温度がお口の中に伝わりやすくなり、美味しくお食事を楽しんでいただけます。汚れがつきにくく清掃もしやすいです。
ノンクラスプデンチャー(金属製のワイヤーを使わずに作る軽い入れ歯)
ノンクラスプデンチャーは、入れ歯全体が自然な歯ぐきの色をした特殊な樹脂で出来た軽くて弾力のある入れ歯です。
通常の部分入れ歯では残っている歯にクラスプと呼ばれる針金状の金属をかけて安定させるのですが、ノンクラスプデンチャーでは入れ歯と一体化した自然な歯ぐきの色の素材をクラスプ状にするため、大きく口を開いても入れ歯をしていることがほとんどわかりません。
『部分入れ歯の歯にかかる金属製の針金が見えるのが気になる』という方におすすめの治療法です。
ノンクラスプデンチャーにはメーカーや素材の違いで様々な種類がありますが、当院では「バルプラスト」を導入しています。
バルプラストとは?
金属の針金を使わずに作る部分入れ歯で、1956年にアメリカで開発されて以来、世界95ヶ国以上で認められたノンクラスプデンチャーです。
歯の付け根部分にいい具合に嵌まり込み、密着します。滑らかで弾性に優れた素材なため割れる心配が少ないです。薄く作れるのでお口の中の違和感が少ないこと、従来の入れ歯の1/2の重さ、とその軽さもメリットです。金属を使用しないので金属アレルギーの心配もありません。
コーヌスデンチャー
茶筒のふたは、摩擦の力により抜けにくい構造になっていますが、同じような原理で入れ歯をお口の中にピッタリと固定することが出来る入れ歯がコーヌスデンチャーです。
金属製クラスプを使用せず、金属加工して綺麗な支台にした残存歯にぴったりと嵌めこむことの出来る部分がついた入れ歯を装着するため、安定感があり見た目にもキレイなのが特徴です。
マグネットデンチャー
根っこだけ残っている歯の頭の部分に磁石を接着しておき、入れ歯に取り付けた金具とその磁石とがくっ付くことを利用してガタつきのないぴったりフィットした入れ歯を可能にしたものをマグネットデンチャーといいます。
このマグネットデンチャーはインプラントにも応用できます。
インプラントで固定する入れ歯(ロケーターインプラント)
インプラントで入れ歯を固定させることも出来ます。特に総入れ歯の方は、取り外しができ、かつピッタリと固定することが可能なロケーターインプラントをおすすめしております。
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